2025年3月29日土曜日

「大脳新皮質」と「大脳旧皮質」と戦争

 人間の脳には「大脳新皮質」と「大脳旧皮質」という2つの異なる部分があって、それぞれが違う働きをしています。ざっくり言うと、新皮質は「理性」や「論理」を担当する部分で、旧皮質は「感情」や「本能」をつかさどる部分です。戦争について考えると、この2つの脳の働きがどんなふうに絡み合っているのかが、けっこう興味深いポイントになります。
例えば、戦争が始まるきっかけのひとつに「怒り」や「恐怖」がありますよね。「あの国が攻めてくるかもしれない」「こっちがやられる前に戦うしかない」といった強い感情は、旧皮質が活発に働いている状態。つまり、生き残るために本能的な反応が出てしまうわけです。一方で、戦争は感情だけでなく、戦略的な計算がしっかり行われていることが多いです。「資源を確保するために動く」「政治的に有利な立場をとる」「あの戦争は弱体化のために長引かせた方がいい。」といった、冷静な判断は新皮質が担っている部分。
この2つのバランスがうまく取れていれば、感情に流されることなく冷静に対処できるかもしれません。でも、旧皮質が暴走すると、怒りや恐怖のまま突き進んでしまうことがあるし、新皮質がすべてをコントロールしようとしても、人間は完全に理性的になれるわけじゃないですよね。だからこそ、教育や文化が大事になってくるんです。知識を増やし、対話の力を育てることで、戦争を避ける道を探しやすくなるのかもしれません。
結局のところ、人間は感情と理性の両方を持っているからこそ、戦争というものが生まれてしまうし、それをどう抑えるかが課題になってくるわけです。