2025年6月7日土曜日

おたく仮説

おたく仮説。ヲタクとも書くようだが、精神心理面について構造分析し考察した結果を仮説として述べてみたい。

ヲタクといっても結局は依存性。それは酒、ギャンブル、ゲーム、アイドルなどが対象となる。

人には報酬系回路(主にドーパミン系)があることはこれまでも述べてきましたが、それを繰り返し使用することで、その回路は徐々に強化され、行動パターンとして一層定着していく。これは特定の対象や活動に対して過度に熱中する傾向、いわゆる「おたく」的な嗜好形成に関与している可能性があると考えます。

とはいえ、あらゆる対象に対して同じように飽きずに没頭し続けられるわけではない。ある対象にはすぐに飽き、別の対象には何年も執着し続ける。その違いは何によって生じるのか?

その鍵は、「脳が予測を裏切られるかどうか」、すなわち報酬予測誤差の頻度と質にあると考えられる。新しい刺激や予測困難な展開が頻繁に起こる対象は、ドーパミンが持続的に分泌されやすく、興味関心を保ち続けられる。一方、変化が少なく予測通りの刺激ばかりになると、報酬系は徐々に反応を弱め、飽きが生じる。精神的成長過程でも見られることである。

ここで問題となるのが、「自閉的な態度」である。これは外界への関心や探索行動が弱く、自己の関心範囲や既存の刺激の中に閉じこもる傾向を指す。このような態度では、新しい刺激を得る機会が乏しくなり、環境が固定化される。結果として、脳は既存の報酬刺激に固執せざるを得なくなり、かえってその刺激への依存が強まる。

つまり、飽きずに没頭し続ける「おたく的態度」は、一見すると好奇心や探究心の賜物のように見えるが、実は新しい刺激を求めることが苦手な状態—すなわち自閉的な反応様式の一部として生じている可能性もある。これは、「飽きない」という現象が、探索的で柔軟な精神状態の結果なのか、それとも閉鎖的で代替を持たない脆弱な適応の結果なのか、という見方ができる。

このように、報酬系の定着、刺激の新規性、自閉的傾向、環境への能動的関与といった要素が複雑に絡み合って形成されるのが、仮説の核心と思います。